ものがたり - 北村薫

ここのところ、時系列的に北村薫を追いかけている。間に佐伯泰英の居眠り磐音 江戸双紙を挟みながら。

今日は丁度文春文庫から出ている短編集「水に眠る」を帰宅途中の電車で読み終えた。

ご承知の通り推理小説家の手による作品集なのだけれど、一般的に言う謎解きの小説が詰まったものではない。どちらかというと謎を孕んだ「想い」を詰まらせたままに読者を放置する小説集だ。

どの作品もとても切ないものなのだが、私が気に入ったのは「ものがたり」という作品。ある種の「凄味」を感じさせる作品で、受験生の女子高生が語る「ものがたり」の押し殺した激情を隠し切れない艶っぽさと言ったら発禁ものである。

かくして主人公である大人の男も高校生の世代の「女性」に振り回されるのである。

澤乃井 立春朝搾り

年を重ねるごとに酒量は減る。酒が弱くなると余人は言うが、自分の場合はちょっと違うのかなとここ数年思っている。勿論、体力は落ち、内臓も例外ならず老化が進んでいることは確かな筈だから酒が強くなったとは思ってはいない。

相変わらずいの一番に口にしたい酒はビールである。ただ、少し以前(いつ頃かまでは記憶が定かではない)までは、ビールを延々と飲んでも飽きることはなかったのだが、今は飽きる。

先日、日本酒しか置かない「つくしの子」という酒屋に久しぶりに行ったが、「取り敢えずビール」でなくてもなんら不足に感じないのだ。そして、日本酒が「本当に」体質に合った酒なのだと感じる機会が年々多くなるのが不思議だ。それはそれはとても美味しく戴けるし、心底美味しいと思いながら吞むので翌朝の具合も殊の外よい。元々二日酔いには余り悩まされない方なのだが、普通の方が「日本酒は残るから、、、」と良く言われるのと真逆である。

日本酒の国内消費量は残念なことに減少の一途なのだとか、ただ日本酒好きには好都合な部分もあって、作り手がなんとかこの状況を打破しようとより一層工夫を重ね、より真剣に酒造りに没頭しているようなのだ。だから年末帰省の際、鎌倉は御成通りにある「高崎屋本店」にて入手した3種類のお酒(冬の月・佐藤卯兵衛 寒おろし・封印酒 大山)ともそれはそれは美味なる日本酒であった。

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その際頂戴していたチラシを昨晩改めて手に取った。「澤乃井 立春朝搾り」予約受付の案内であった。これも何かの縁と自分に都合の良い解釈をして、夜中前に予約ファックスを件の高崎屋本店に入れた。発売日は2月4日。生憎月曜なので、その次の週末に受け取りに行くことになるだろう。なんやかやと理由をつけて鎌倉に足を運ぶ私にとっては全くの好都合、正に一石二鳥であるな。

Merry Christmas

この冬一番の冷え込みだったとか。鎌倉に出掛け「高崎屋本店」にて正月用の日本酒の買い物を済ませる。お店の人は皆お酒に詳しく気さくだし、犬を飼ってお られるらしくガウを連れての入店も勧めてくれた。知り合いのブログにあった「こ寿々」のわらび餅を手に入れようと若宮大路をぶらり。その後「海に向かうの は無謀か?」と迷ったもののお気に入りの「一色海岸」へ。幸い風もなく陽射しはふんだんにあったので全く寒くなかった。

 

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