マチネの終わりに

平野啓一郎氏の小説である。香港出張前、電車で通勤していた時期に久し振りに本を読み始めたのだった。飛行機の中でも非常に良い感じで読み進んでいたのだった。

良い感じというのは控えめすぎる表現かも知れない。かなり好みにあった本だと思って読んでいた。携帯電話を無くしたあたりで雲行きが怪しくなる。それを三谷が取り戻して洋子宛に蒔野になりすましてメールを返信するところで怒りを覚えた。安直だし、醜い。展開が俗っぽすぎるし、軽すぎるのだ。

もう読み進めるのはやめようと思う。胸糞悪い気持ちのままそんな気持ちにさせる書物を読む理由がどこにあるのだろう。

単に面白くない本は過去に何冊もあった。ただ、出出しが良かっただけに落胆は大きい。